最近観たDVDの感想
劇場公開時に観たのだが、また気になったのでレンタルした。
キューブリックの名作ホラー『シャイニング』(1980)について専門家やマニアが深い分析をするという内容だが、ほとんどがこじつけで、それが逆に面白い。
語っている本人たちは大真面目だが、取材している側は明らかに面白がってインタビューしているように見える。
「壁に貼ってあるスキーヤーのポスターがミノタウロスに見える」説はさすがに笑ったが、絨毯の柄が同じ場面なのに変化しているという指摘は興味深い。
まさか撮影の合間に絨毯を張り替えたとも思えないし、これは何らかの意図(現実ではないということ?)ではないだろうか。
ちなみに、私が一番気になっている冒頭のヘリコプターの影については誰も言及していませんでした。
第二部をまるごと再現シーンにしてしまう演出がすごい。
イーストウッドはここ10年外れが無いんじゃないか。
自分はマルホランド・ドライブとかバートン・フィンク、日本なら3-4X10月みたいな「夢なのか現実なのか」系の映画が好きなので、この映画はピンポイントである。
地下鉄のシーンの不気味さが印象的。
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銀座SIX,いまさら前を通ったが、通り抜けできるんだね!
作詞家についての書籍
作詞家が書いた、もしくは誰かが作詞家について書いた本をたくさん読んだ。
故・安井かずみについての本。
安井かずみといえば『古い日記』『わたしの城下町』『よろしく哀愁』の作詞や
『ドナドナ』『おおシャンゼリゼ』の訳詞で有名。
いかに彼女が格好良い生き方をしていたのかを、関係者へのインタビューで探っている。
個人的には『にがい涙』が一番好き。作曲は筒美京平。
The Three Degrees - Nigai Namida
なかにし礼の自伝。戦時中についてで、20代以降についてはこの本には書かれていない(最近までサンデー毎日でその時期についての)
どこかの評論家が「阿久悠をはじめとして多くの作詞家が小説家のように空想の世界を描いているが、なかにし礼はある程度実体験が反映されている」という趣旨のことを話していた。
たしかに、戦時中に満州で体験した哀しみや欲望が、歌詞に反映されているような気がする。
だとするとある意味シンガーソングライターに近いやり方と言えなくもないが、
なかにしの場合、名曲の数は女性歌手に提供したものの方が多い。
そこがやっぱり、作詞家なのだ。
阿久悠の側近が、阿久の遺した日記を分析。
著者も指摘しているが、阿久はこのプライベートの日記が自分の死後世に出ることを想定している。
最近買ったCD・本
奮発して購入。
「あれ、この曲は名曲なのに入ってないんだ・・・」みたいに感じることが多いというのが、筒美京平がヒットメーカーである証拠だろう。
まだ病気を気にする年齢ではないけれど、知っておいて損はないだろうと。
途中、小説のパートがあって、それが実に見事。
編集者の手直しがあるのかもしれないが、小説を読んでいるかのよう。
どっかのレビューで森鴎外に例えられていたけど、まさにそんな感じ。
さすが、溝口。この分野においてダントツの取材である。
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こんばんは